2018年12月2日日曜日

秋は来ぬ 紅葉は宿に降りしきぬ






 散らねども かねてぞ惜しき 紅葉葉は  今は限りの 色と見つれば

 寛平御時后宮の歌合の歌   読人しらず   古今和歌集    

 

今年の色づきはすっかり遅くなってしまいました。
気のせいか、その色の濃さが年々物足りなく感じてきています。


2018年10月9日火曜日

時のまも 心は空に なるものを



心も煙も、澄み切った秋の空に消え入ってしまいそうです。
ふと我に返ると、いつの間にか時間が経っていました。

日々の営みが小さく見えてしまうような、この場所です。

 

 秋立ちて 幾日(いくか)もあらねど この寝ぬる  朝けの風は 袂すずしも
 安貴王   拾遺和歌集
  
おしなべて  物を思はぬ 人にさへ  心をつくる 秋の初風
西行 法師  新古今和歌集

世の中は  見しも聞きしも はかなくて  むなしき空の 煙なりけり
藤原  清輔  新古今和歌集




2018年7月1日日曜日

海原を 遠く渡りて






隠れキリシタンの教会、田平天主堂です。

まだ機械など発達していない頃、彼方の西洋から遥々この極東まで冒険された人々の心が受け継がれています。


 天(あめ)の海に 雲の波立ち 月の船  星の林に 漕(こ)ぎ隠る見ゆ
    万葉集 第7巻

 海原を 遠く渡りて 年経とも  子らが結べる 紐解くなゆめ
 万葉集 第20巻

 
 
以前に投稿した関連記事です。

  今も静かに、祈りは捧げられて     ( 2010年12月7日 投稿 )

  ひさかたの 天見るごとく 仰ぎ見し    ( 2014年12月12日 投稿 )




  これらの墓標は、全て「西向き」に建てられています。





2018年5月22日火曜日

どこか遠くへ 行きたい




知らない町を、ぼんやりと歩いてみたい ・・・。

知らない海を、いつまでも眺めていたい・・・ 。

2018年4月18日水曜日

紅の 色にはいでじ 隠れ沼の




春風の 花を散らすと見る夢は 覚めても胸の さわぐなりけり
      
 西行  (1118 - 1190)



かながわの花の名所100選



 

2018年4月1日日曜日

散りぬる風の なごりには







此処は太田道灌の胴塚、洞昌院です。




かかる時 さこそ命の 惜しからめ かねて亡き身と 思い知らずば
太田道灌 辞世



七重八重 花は咲けども 山吹の 実のひとつだに なきぞ悲しき
         太田 道灌 (1432 – 1486)




私が最も崇敬する武士であり、辞世の句です。 
「親と上司は選べない」という言葉の最も典型的な人でもあります。

この時期になると毎年、お参りと共に静かな境内の見事な桜を鑑賞しております。




2018年3月9日金曜日

匂ふ春べは くらぶ山










梅の花 匂ふ春べは くらぶ山  闇に越ゆれど しるくぞありける
            紀 貫之 (872 - 945)   古今和歌集


2018年2月10日土曜日

生まれたところを 遠く離れて










だけど誰も自分のことさえ救えない この世じゃ
痛みを理解り合えても 言葉はただ「さよなら」だけさ

生まれたところを 遠く離れてうたう
この子に いつの日にか光がみえるように

作詞:浜田省吾